最近はどんなコーヒーを飲みましたか?
ブレンドですか?それとも単一の農園で育てられたコーヒーだけのシングルオリジンですか?
皆さんは、コーヒーの味の違いってどれほどわかりますか?
「ケニア」「コロンビア」「マンデリン」と言われてだいたいこういう味かなーってわかる人って、
コーヒー関係の仕事をしてる方を除くとそう多くはないと思います。
さて、今日はコーヒーの生産地による味わいの違いを探っていきましょう!
アラビカ種
コーヒー屋さんで買えて、普段飲むコーヒーのほとんどはアラビカ種という品種のコーヒーを飲んでいると思います。
アラビカ種を育てるためには、1年を通して気温が15〜24度と僕らにとっても過ごしやすい温度で、
1200〜3000mmほど雨が降るのが場所が適切だと言われています。
(ちなみに日本の年間降水量は1700mmです。)
程よく雨が降り、人間にとっても心地がいい温度が1年続く地域が、コーヒーの栽培に適しているのです。
この条件をクリアして、コーヒーを生産・輸出している国々は赤道を挟んで南北25度の範囲の地域に集中しています。
この地域はよく「コーヒーベルト」と呼ばれています。
そしてこの地域に属して、コーヒーを生産している国は世界で約60カ国あると言われています。
もちろん日本でもギリギリ沖縄や小笠原諸島あたりで栽培ができますが、この60カ国には含まれていません。産業になるほどには収穫量ないですもんね。
「コーヒーベルト」
上の写真は、スターバックスコーヒーの壁に描かれていた世界地図です。
世界地図の上にコーヒーベルトを表しています。
光の加減で少しわかりにくいですが、赤道付近でオレンジ色に塗られているエリアが「コーヒーベルト」と呼ばれているエリアです。
コーヒーの生産地「コーヒーベルト」をさらに3つのエリアに分けることができます。
「アジア」「アフリカ」「ラテンアメリカ」とコーヒーを楽しまれてる方には親しみのある名前かもしれません。
赤道下にある「アジア」「アフリカ」「ラテンアメリカ」がコーヒーの3大生産地です。
今回はこの3つのエリアに絞ってコーヒーの味の特徴を大まかに説明していきましょう。
もちろん、それぞれの国のコーヒーごとに独自の特徴があり、はたまた、同じ国でも農園や品種によって全く風味が異なりますので、大雑把に見たときの分類です。
エリアによるコーヒーの味わいの違い
「ラテンアメリカ」のコーヒー
ラテンアメリカでコーヒーを生産している国はほとんどがヨーロッパの植民地国でありました。そのため、今でも大農園も多く残っています。
世界の生産量最大のブラジルから始まり、コロンビアやグアテマラ、メキシコ、「ブルーマウンテン」のジャマイカ、コスタリカ、ホンジュラスなどなど20カ国ほどが生産しています。
品種の開発や研究にも熱心で、ラテンアメリカのコーヒーにはゲイシャやパカマラ、カトゥアイなど様々な品種のコーヒーを飲むことができたりします。
ブラジルを除くラテンアメリカの国々は基本的にウォッシュトプロセスを採用していますが、最近のスペシャルティコーヒーの盛り上がりでハニープロセスなどといった新しい精選方法も試されています。
そのため、ラテンアメリカのコーヒーは多種多様性に富んでいると言えます。国だけみても20カ国あり、品種や精選法を掛け合わせると数え切れないほどの種類のコーヒーに出会うことができます。
そんなラテンアメリカのコーヒーですが、一般的には明るい印象のコーヒーが多く、きれいな酸味によって上品な味わいのコーヒーになることが多いです。
ラテンアメリカの国々の特徴は各記事で紹介しています。
地域 | 国 |
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中米 | メキシコ、グアテマラ、コスタリカ、ホンジュラス、エルサルバドル、ニカラグア、パナマ、ジャマイカ |
南米 | ブラジル、コロンビア、ボリビア、ペルー、エクアドル |
「アフリカ」のコーヒー
コーヒーの発祥の地エチオピア・イエメンを始め、ケニア、タンザニアなどバラエティに富んだ国々がアフリカにはあります。
ただ、アフリカのコーヒー生産国のほとんどはロブスタ種を育てており、アラビカ種を育てている国は東アフリカの一部の国々でそこまで多くありません。
一般的にアフリカのコーヒー栽培は小規模な農家によって担われています。
小規模農家というとイメージがつきにくいですが、「お母さんが裏庭で育てているトマト」を想像していただければわかりやすいと思います。
そんな小規模農家のコーヒーが近所の加工場に持ち込まれ、いろんなコーヒーが混ぜ合わされて、地域の加工場単位でコーヒーが仕上がってきます。
アフリカではラテンアメリカと違って、一つの農家のみが育てたコーヒーとして「xxx農園」と名前がつけられ、売られるのは稀です。
アフリカのコーヒーは、ベリーやオレンジといった果実のような味わいのジューシーさ、フルーティーな風味が特徴と言えます。
風味の特徴が面白く、ラテンアメリカやアジアで生産されたコーヒーでは味わうことができないような風味が楽しめるのがアフリカ産のコーヒーです。
アフリカ各国の特徴は各記事で紹介しています。
地域 | 国 |
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アフリカ | エチオピア、ケニア、タンザニア、ルワンダ、イエメン、ウガンダ、マラウィ、ブルンジ |
「アジア」のコーヒー
アジアではインドネシアをはじめ、ベトナム、ミャンマー、インド、中国、パプアニューギニアなど、ほとんどの国で生産されているといっても過言ではありません。
ちなみに、ブラジルに続く世界のコーヒー生産量2位の国はベトナムです。ただ、その大半はロブスタになっています。
アジアのコーヒーは、コーヒーのティスティング用語で「Earthy(アーシー)」と言われるような「大地のような」フレーバー、「土や木々、森、ハーブ」の風味が感じられ、コクが深く、濃厚な味わいのコーヒーが多く生産されています。
マンデリンなどは「ザ・アジア」という代表的なコーヒーでしょう。
アジア各国の特徴は各記事で紹介しています。
地域 | 国 |
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アジア | インドネシア、ベトナム、インド、中国、パプアニューギニア、ミャンマー、ハワイ |
生産地の違いを楽しめる「シングルオリジン」
最近、様々なコーヒー屋さんで「シングルオリジン」や「ストレート」の名称で売られているコーヒーがあります。
シングルオリジン(Single Origin)とは「一つの生産地」の意味で、ある生産地、ある農園で収穫されたコーヒーですよと謳っています。
シングルオリジンの定義はそれぞれのお店によって異なりますが、スペシャルティコーヒーが人気を博しており、「トレーサビリティー(追跡可能であること)」を大切にしようという流れから来ています。
野菜や果物でも「北海道の大橋さんが育てたジャガイモ」「愛媛県の山田さんが育てたみかん」と書かれているものが多くなってきましたよね。
やはり顔が見えるほうが安全だし、美味しく感じますよね。
コーヒーでも「コスタリカのxxx農園で育てられたoooという品種をウォッシュドプロセスで加工した」とわかるようになってきています。
生産地や生産エリアによる違いを楽しみたい時は是非「シングルオリジン」や「ストレート」など生産国や生産した農園の名前がついたコーヒーを試してみてください。
最近では国だけではなく、農園や加工法、品種名も書かれていますので、それぞれの違いを楽しめると思います。
それぞれの国の違いがわかってきたら、
次は同じ国でも違う農園や違う品種のコーヒーを飲み比べてみると、
それぞれのコーヒーの違いが理解できるかもしれません。