例年のように、今年もスターバックスの決算が出ましたので、日本のスターバックスの決算を見ていきましょう。
スターバックスコーヒージャパン
スターバックスコーヒーはアメリカ・シアトル発のコーヒーチェーンで、ドリップコーヒーをはじめ、エスプレッソベースのドリンクやフラペチーノを販売しています。
1996年に日本に上陸し、銀座に1号店を出店し、サザビーリーグの合弁でスターバックス コーヒージャパンが誕生します。
2001年よりナスダック・ジャパン市場に上場していましたが、2014年にアメリカ・スターバックスが日本法人を完全子会社化を決定し、2015年3月に上場廃止、現在はアメリカ・スターバックスの完全子会社となっています。
現在のスターバックス コーヒージャパンの代表取締役社長は2016年より水口貴文氏が務めています。
2023年9月末時点での店舗数は国内1885店になりました。コロナ禍前の1年で100店舗の出店ペースを取り戻してきました。
スターバックスコーヒージャパンの2023年度業績
スターバックスは年度を10月1日からはじめています。
なので、スターバックスの2023年度は2022年10月から2023年の9月末までを指します。
日本経済新聞に掲載されたスターバックスコーヒージャパンの決算公示の2023年度のものを抜粋して下記表を作成しました。
科目 | 金額(億円) | 対売上比 |
---|---|---|
売上高 | 2894(億円) | 100% |
売上原価 | 843(億円) | 29% |
販売・管理費 | 1837(億円) | 63% |
営業利益 | 214(億円) | 7.3% |
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経常利益 | 213(億円) | 7.3% |
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税引前純利益 | 209(億円) | 7.2% |
当期純利益 | 151(億円) | 5.2% |
後ほど売上推移・純利益推移のグラフを載せますが、売上については昨年を超えて、最高売上になっています。
売上2894億円に対し、214億円の営業利益、純利益が151億円でした。
前年との比較
科目 | 2022年(億円) | 2023年(億円) | 前年度比 |
---|---|---|---|
売上高 | 2539 | 2894 | 13% |
販売・管理費 | 1592 | 1837 | 15% |
営業利益 | 251 | 214 | ▲15% |
経常利益 | 338 | 213 | ▲36% |
純利益 | 234 | 151 | ▲35% |
昨年と比べると、売上は前年比13%増になっていますが、営業利益はじめ純利益までは前年を下回っています。
経常利益について、他の飲食業でよく言われるのは、コロナ禍で給付された時短協力金や雇用調整助成金等が形状されなくなったため、前年度を割っているとの理由です。スターバックスも全国各地に店舗を持つので、補助金は相当な額だったはずで、今年はその影響が大きいのではないかと推測します。
営業利益については、原価と販管費が若干多くかかっているので、物価高・光熱費高騰と人件費が重なっているのかなと推測できます。
次に、コロナの影響が始まる前の決算と比べてみます。
科目 | 2019年(億円) | 2022年(億円) | 19年度比 |
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売上高 | 2011 | 2894 | 43% |
営業利益 | 182 | 214 | 17% |
経常利益 | 185 | 213 | 15% |
純利益 | 128 | 151 | 17% |
2019年(2018年10月から2019年9月末まで)の決算と比較したのが上記の表です。2019年度末の店舗数が約1500ほどでした。2019年度の営業利益率は9%だったので、やはり少し落ちています。
上のグラフはスターバックスコーヒージャパンの2004年から売上の推移です。(2015年度は変則決算のため省略しています)
コロナの影響を受けた2020年、2021年から復活し、過去最高の売上を記録しているのがわかります。
純利益の2004年以降の推移です。
日本のスターバックスは2001年に上場し、決算データを公開していましたが、現時点で手に入るデータ(2004年以降)でグラフを作成しています。
去年の純利益が際立っていました。推移的には例年通りという印象です。
店舗数の推移
前年、2021年9月末時点で国内のスターバックスは全1771店でした。
そして今決算期2023年9月末時点では、1885店舗、フランチャイズによる委託運営が153店になっています。前年から114店舗増加しています。
2021年度、2022年度と少し出店ペースを抑えている印象でしたが、コロナ禍前の100店舗ペースを戻してきました。
毎年スターバックスの決算公示を眺めていましたが、
債務超過だったスターバックスがいつの間にか債務超過状態を解消しているのにようやく気づきました。笑
債務超過自体は2019年度末で解消していましたが、
今年度ようやく、上場廃止時の自己株式分の利益剰余金を蓄えています。
稼ぐ力がやはりすごいです。
来年はもしかしたら2000店舗超えるかもしれないですね。
Starbucks.co.jp
Image source: unsplash.
記事内で使用したグラフは過去のスターバックス コーヒージャパン決算短信と決算公示を基に作成.