7月30日の日本時間深夜、中米・エルサルバドルのカップ・オブ・エクセレンス(COE)2020の国際オークションが開催された。今年のCOEエルサルバドルで87点以上をつけたロットは22農園あり、全22ロットの平均落札価格が1ポンドあたり22.53ドルとなった。
その中でもスコア90.31を獲得し優勝したディビナ・プロビデンシア農園のナチュラルプロセス(アナエロビック/嫌気性発酵)パカマラは最高落札価格80.10ドル(約8000円:1ドル105円換算)/lb.で落札された。売り出されたロットは、丸山珈琲(を中心にしたグループ)とAL QAHWA AL ARABIAHが落札した。同農園の売り出しロット合計の落札総額は約8万8千ドルをつけ、日本円にして約900万円の値段をつけた。
COEエルサルバドル2020で87点以上のスコアを獲得し入賞して国際オークションにかけられた22農園のコーヒーの平均落札金額は22.53ドル/lbとなり、全ロットの累計落札額は47万ドルで、日本円にして約4900万円にのぼった。
優勝ロットに続き高値で落札されたのは4位(スコア89.16)のLa Pacaya農園のナチュラルプロセス・ゲイシャで、1ポンドあたり48.60ドルとなった。その後に高値をつけたのは15位(スコア87.75)のNoruega農園のナチュラルプロセス(アナエロビック/嫌気性発酵)ブルボンで、33.20ドル/lb.となった。
カップオブエクセレンスとは
カップオブエクセレンス は、国際コーヒー機関(ICO)のプロジェクトの一環で、1999年にブラジルから始まり、現在ではグアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、コスタリカ、ニカラグア、メキシコ、ブルンジ、ルワンダ、コロンビア、ボリビア、ペルーの12の生産国で行われている。去年2019年にカップオブエクセレンスは20周年を迎えた。
カップオブエクセレンスの選考は、最低基準のチェック、国内審査、国際審査と3段階で行われ、少なくとも5回の品質の評価が行われ、この厳しい品質評価を経て最低87点以上のスコアを獲得し入賞したコーヒーは、インターネットのオークションで名実ともにグローバルに競り落とされる。落札された価格は、諸経費を引いて、そのまま生産農家が手にすることができるのがCOEオークションの特徴。1999年の第1回カップオブエクセレンスでの1位獲得ロットの落札価格は2.6ドル/ポンドであったが、2018年には最高落札価格も更新し300ドル/ポンド(コスタリカCOE)となり、20年間の累計オークション収入は6億ドルを超えている。
参考記事: 「【コーヒー用語】COE・カップオブエクセレンスって何?詳しく解説します」
今年のCOE開催予定
国 | 国際審査日程 | オークション日程 |
---|---|---|
ニカラグア | 終了(結果) | 7/16 |
コスタリカ | GCCs | 8/5 |
グアテマラ | 終了(結果) | 7/28 |
エルサルバドル | 終了(結果) | 7/30 |
コロンビア | 不明 | 11/12 |
ブラジル | 不明 | 11/24 |
ペルー | 不明 | 12/3 |
ホンジュラス | - | 中止 |
メキシコ | - | 中止 |
**GCCsはグローバルコーヒーセンターの略で、COVID-19の影響で今年は開催地で国際審査が行われず、サンプルを世界各地のGCCsに送り、各地でジャッジが審査をすることになっている。詳しくはこちら。
COE2020オークション結果
国 | 最高落札価格(/lb.) | 最高価格獲得ロット(農園名 品種・加工方法) | 全ロット平均落札価格(/lb.) |
---|---|---|---|
エチオピア | 185.10ドル | ニグセ・ゲメダ・ムデ 品種74158・ナチュラル | 28.44ドル |
ニカラグア | 36.30ドル | ウン・レガロ・デ・ディアス農園 マラカトゥーラ・ナチュラル | 12.08ドル |
グアテマラ | 180.20ドル | エル・ソコルロ農園 ゲイシャ・ウォッシュト | 26.5ドル |
エルサルバドル | 80.10ドル | ディビナ・プロビデンシア農園 パカマラ・ナチュラル(嫌気性発酵) | 22.53ドル |
COE2019オークション結果
去年2019年度のCOEのオークション結果は以下のようになりました。
国 | 最高落札価格(/lb.) | 最高値獲得ロット | 全ロット平均落札価格(/lb.) |
---|---|---|---|
コロンビア北部 | 35.60ドル | ミカバ農園 ゲイシャ・ナチュラル | 14.31ドル |
エルサルバドル | 64ドル | サンタ・ローサ農園 パカマラ・ハニー | 13.60ドル |
ホンジュラス | 120.10ドル | サンタ・ルチア農園 ゲイシャ・ウォッシュト | 13.67ドル |
コスタリカ | 65.30ドル | サンタ・ルチア農園 ゲイシャ・ハニー | 16.81ドル |
グアテマラ | 58.70ドル | ラス・マカダミアス農園 パカマラ・ナチュラル | 15.62ドル |
メキシコ | 35.50ドル | サンタ・クルーズ農園 ゲイシャ・ナチュラル | 7.82ドル |
ブルンジ | 21.20ドル | ガツクザ・ウォッシングステーション ブルボン・ナチュラル | 6.85ドル |
ブラジル | 60.10ドル | パイエ・フィルホ農園 イエローカトゥアイ・ナチュラル | 11.18ドル |
ペルー | 30.00ドル | ヌエボ・プログレソ農園 ゲイシャインカ・ウォッシュト | 10.92ドル |
紹介動画
(追記)エルサルバドルのコーヒー協会が制作した紹介ムービーが公開されている。
*詳しくはこちら
参考記事: 「【コーヒー用語】COE・カップオブエクセレンスって何?詳しく解説します」
**Photo source: La Pacaya