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てる コラム

【コーヒー用語】COE・カップオブエクセレンスって何?詳しく解説します


スペシャルティコーヒーを取り扱うコーヒーショップに行くとごく稀に、
「COE Winnerロット」
「COE 5位獲得」
などと書かれたコーヒーを目にすることがあります。

さて、このCOEとは何かっていうのを解説していきたいと思います。

COEとは

COEとは"Cup Of Excellence(カップ オブ エクセレンス)"の略で、直訳すると「優秀なカップ(=コーヒー)」になります。
スペシャルティコーヒー業界の中で一番有名な品評会です。

COEは基本的に生産国ごとに毎年行われます。
生産者がコーヒー豆を持ち込み、最低基準をクリアしているかどうかチェックされた後、
国内審査員での審査を経て、世界中から集まる国際審査員による審査によってスコアと順位が決まります。

「最低基準」→「国内審査」→「国際審査」

の3段階で審査が行われ、少なくとも5回以上にわたって品質評価が行われています。

この後、国際オークションがインターネットで行われて、
登録すれば誰もが入札でき、落札すれば購入することができるというのがCOEの画期的なところです。

購入者からすれば、情報が開示されていることでトレーサビリティのとれた、
品質の良いコーヒーを、
インターネットオークションというフェアなルールの下で、
生産者から直接購入することができるというメリットがあります。

逆に、出品する生産者からすると、
自分のコーヒーの品質が認められると高値で売ることができるのに加え、
農園を知ってもらえる良い機会にもなります。
また、生産者にとって品質のより良いコーヒーを生産しようという動機にもつながります。

従来は生産国のコーヒー管理団体や輸出入業者など中間業者が多数入り、
コーヒー生産者の取り分は少なくなる傾向でした。
しかしCOEのインターネットオークションのシステムは生産者と購入者(ロースターなど)を直接繋げるので、
もちろんCOEの手数料と輸送料等など必要最低限な諸経費はかかりますが、
従来に比べると中間搾取が少ないというのはCOEの大きな特徴です。

COEの歴史

COEが始まる前の1990年代まで、コーヒーの品質評価は元々、欠点(=悪いコーヒー豆)がどれほどあるかというマイナス面を見るものでした。
コーヒー豆の中に欠点と呼ばれる悪いコーヒー豆が含まれていると、焙煎したときにその味につられコーヒーの味が落ちてしまうので、
これがどれだけ入っていないかがコーヒーの品質評価でした。
ただ、これでは味の優れたコーヒー豆を探し出すことはできません。

1990年代後半、アメリカのジョージ・ハウエルがより品質がよく、味わいの良いコーヒーを探し出すのはこの方法ではダメだと考え、
アメリカのスペシャルティコーヒー協会が採用していた品質評価方式を改良したもので評価する「トライアル品評会」が1999年11月に開催されました。
これが初のCOEだと言われ、ブラジルで開催されます。
従来方式の(悪いコーヒーを探す)評価のブラジルのカッパーを除いて、欧米や日本のカッパーが集まり「味わい重視」に評価が行われました。

この初のCOE大会もインターネットオークションで販売が行われました。
高評価を得て1位に輝いたコーヒーには落札価格2.6ドル/ポンドがつき、当時としては破格の価格だったため、COEを有名にしました。

翌年2000年に再度同じ品評会が行われ、この年から「カップ オブ エクセレンス」と今でも使われる名称が使われるようになります。

現在のCOE

2019年に20周年を迎えたCOEの開催国は順調に増えています。
現在ではブラジルの他に、グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、コスタリカ、ニカラグア、メキシコ、ブルンジ、ルワンダ、コロンビア、ボリビア、ペルーの12の生産国で行われています。
現在でもまだ参加していないエチオピアやエクアドルなどの生産国でのCOE開催の話があり、今後も参加国は増えていくはずです。

最初のCOEの最高落札価格が2.6ドルだったのに対し、
2018年のCOEコスタリカで最高落札価格が300ドル/ポンドと驚異的な成長を遂げています。
また、20年間の累計オークション収入は6億ドルを超えました。

カップオブエクセレンスのコーヒー

カップオブエクセレンス に入賞したコーヒーはどれも美味しく、
(5位以上などの)上位入賞ロットには毎度驚かされます。

アナロビックファーメンテーションや新しい品種など品質の良いコーヒーを生産するために、
様々な工夫が見られます。

あまり見られない独特なフレーバーを持つコーヒーや、ジュースかと思われるほどのジューシーさを持つコーヒーなど、
生産者の努力を見られるのもCOEの特徴の一つです。

やはり品質がよく、オークションによって正当な価格付けが行われており、
尚且つマイクロロットな希少なコーヒーになってくるので、
COE入賞ロットは値段が高くなりますが、
それに見合ったコーヒー体験はできると思います。
是非とも様々なCOE入賞ロットを試してみましょう。

(追記) 日本でのCOE取扱店

COE公式のウェブサイトに全世界のCOE取扱店ショップリストが掲載されていたので、
そこから日本のロースターを抜粋して掲載しておきます。
これ以外のロースターでももちろん販売していますが、
単独落札等をしてCOEロットを購入していたり、COEの国際ジャッジとして活躍したりとCOE協会メンバーのロースターです。
参考までに。

TAKAMURA COFFEE ROASTERS
丸山珈琲
Unir
Rio Coffee
Maru’s Coffee
CAFE FADIE
27 Coffee Roasters
創作珈琲工房くれあーる
NAGAHAMA COFFEE

参考: ACE
**Photo source: unsplash

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