12月5日の日本時間深夜、カップ・オブ・エクセレンス(COE)ペルー2019の国際オークションが開催された。今年COEペルーで87点以上をつけたロットは21農園あり、全21ロットの平均落札価格が1ポンドあたり10.92ドルとなった。
最高落札価格をつけたのは2位の91.14を獲得したヌエボ・プログレソ農園のウォッシュトプロセスのゲイシャインカで、落札価格30ドル(約3300円:1ドル109円換算)/lb.で落札された。今大会の優勝(スコア 92.28)、ラ・ルクマ農園のウォッシュトプロセスのマーシェル種は20ドル/lb.で落札され、最高落札価格とはならなかった。
今年からCOEのルールが若干変更になり入賞基準が87点以上に引き上げられた。COEペルーで87点以上のスコアを獲得し入賞した農園は21で、そのうち国際ジャッジが上位6位までのロットに90点以上のスコアをつけられた。入賞して国際オークションにかけられた21農園のコーヒーの平均落札金額は10.92ドル/lb.となり、累計落札額は日本円にして約2300万円に及ぶ。
優勝したラ・ルクマ農園のマーシェル種とはブルボン種の突然変異で、1997年頃に同農園で発見された。サビ病に耐性を持つ品種とされる。
(追記 2020.5.16)後日研究機関での検査の結果、このマーシェル種はコスタリカ95と同じ品種だと判明した。
カップオブエクセレンス とは
カップオブエクセレンス は、国際コーヒー機関(ICO)のプロジェクトの一環で、1999年にブラジルから始まり、現在ではグアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、コスタリカ、ニカラグア、メキシコ、ブルンジ、ルワンダ、コロンビア、ボリビア、ペルーの12の生産国で行われている。今年でカップオブエクセレンスは20周年を迎える。
カップオブエクセレンスの選考は、最低基準のチェック、国内審査、国際審査と3段階で行われ、少なくとも5回の品質の評価が行われ、この厳しい品質評価を経て最低87点以上のスコアを獲得し入賞したコーヒーは、インターネットのオークションで名実ともにグローバルに競り落とされる。落札された価格は、諸経費を引いて、そのまま生産農家が手にすることができるのがCOEオークションの特徴。1999年の第1回カップオブエクセレンスでの1位獲得ロットの落札価格は2.6ドル/ポンドであったが、2018年には最高落札価格も更新し300ドル/ポンド(コスタリカCOE)となり、20年間の累計オークション収入は6億ドルを超えている。
COE2019オークション概要
今年開催されるCOEは全て終了し、COE2019各国のオークション結果をまとめてみました。
国 | 最高落札価格(/lb.) | 最高値獲得ロット | 全ロット平均落札価格(/lb.) |
---|---|---|---|
コロンビア北部 | 35.60ドル | ミカバ農園 ゲイシャ・ナチュラル | 14.31ドル |
エルサルバドル | 64ドル | サンタ・ローサ農園 パカマラ・ハニー | 13.60ドル |
ホンジュラス | 120.10ドル | サンタ・ルチア農園 ゲイシャ・ウォッシュト | 13.67ドル |
コスタリカ | 65.30ドル | サンタ・ルチア農園 ゲイシャ・ハニー | 16.81ドル |
グアテマラ | 58.70ドル | ラス・マカダミアス農園 パカマラ・ナチュラル | 15.62ドル |
メキシコ | 35.50ドル | サンタ・クルーズ農園 ゲイシャ・ナチュラル | 7.82ドル |
ブルンジ | 21.20ドル | ガツクザ・ウォッシングステーション ブルボン・ナチュラル | 6.85ドル |
ブラジル | 60.10ドル | パイエ・フィルホ農園 イエローカトゥアイ・ナチュラル | 11.18ドル |
ペルー | 30.00ドル | ヌエボ・プログレソ農園 ゲイシャインカ・ウォッシュト | 10.92ドル |
*COE公式サイト
詳しい結果はこちら
**トップ画像は2位ヌエボ・プログレソ農園