2019年も終わりにかかり、昨年も記事にしたスターバックスコーヒージャパンの業績が発表されました!
今年も日本のスターバックスの業績をチェックしていきましょう。
(追記:2020/12/30) 直近の2020年度のスターバックス業績について記事にしました。
スターバックスコーヒージャパン
スターバックスコーヒーはアメリカ・シアトル発のコーヒーチェーンで、ドリップコーヒーをはじめ、エスプレッソベースのドリンクやフラペチーノを販売しています。
1996年に日本に上陸し、銀座に1号店を出店し、サザビーリーグの合弁でスターバックス コーヒージャパンが誕生します。
2001年よりナスダック・ジャパン市場に上場していましたが、2014年にアメリカ・スターバックスが日本法人を完全子会社化を決定し、2015年3月に上場廃止、現在はアメリカ・スターバックスの完全子会社となっています。
現在のスターバックス コーヒージャパンの代表取締役社長は2016年より水口貴文氏が務めています。
2019年9月末時点での店舗数は国内1497店。ほぼ1500店あります!すごいです。そのうち120店はライセンスと呼ばれるFC(フランチャイズ)店舗だそうです。
スタバの2019年度を振り返る
スターバックスはコーヒー暦を採用し、年度を10月1日からはじめています。
なので、スターバックスの2019年は2018年10月から2019年の9月を指します。
さて、この1年で日本のスターバックスにとって大きな出来事といえばやはり、
東京にロースタリーができたことでしょう。
2019年2月28日に東京・目黒に大きな焙煎機を備えたロースタリー東京がオープンしました。
実際にこのロースタリーで焙煎されているお豆も販売されています。
2019年に発売されたコーヒーラインナップ
さて、スターバックスの1年を振り返ろうとするなら、このサイトらしく1年で発売されたコーヒー豆を振り返りましょう。
以下に2019年に発売されたコーヒーをまとめてみました。
発売日 | コーヒー豆 |
---|---|
10/1 | サンドライド エチオピア シダモ |
11/1 | クリスマスブレンド 3種類 |
12/26 | グアテマラカシシエロ /ホンジュラス マルカラ |
2/15 | スプリングシーズンブレンド |
2/28 | エルサルバドル モンテカルロスエステート3種類 |
3/20 | TOKYOロースト |
4/11 | コペラニブレンド/アイスコーヒーブレンド |
5/15 | カティカティブレンド |
7/19 | ブラジル ミナスジェライス |
8/30 | オータムブレンド/アニバーサリーブレンド |
まとめてみると10回にわたり17名柄が発売されました。
コーヒー豆以上に、この1年でスターバックスでは数えきれないほどのフラペチーノなどのドリンクが発売されました。フラペチーノも2019年に何が出たかまとめると面白そうですが、今回はやめときます笑
それでは以下で2019年の業績を見ていきましょう。
スターバックスコーヒージャパンの2019年度業績
上の写真は日本経済新聞の12月5日朝刊に掲載されたスターバックスコーヒージャパンの決算公示です。
科目 | 金額(億円) | 対売上比 |
---|---|---|
売上高 | 2011(億円) | 100% |
売上原価 | 567(億円) | 28% |
販売・管理費 | 1260(億円) | 62% |
営業利益 | 182(億円) | 9.0% |
------ | ----- | ----- |
経常利益 | 185(億円) | 9.1% |
------ | ----- | ----- |
税引前純利益 | 183(億円) | 9.0% |
当期純利益 | 128(億円) | 6.3% |
前年との比較
では前年2018年と比べてみましょう。
科目 | 2018年(億円) | 2019年(億円) | 増減率 |
---|---|---|---|
売上高 | 1827 | 2011 | 110% |
経常利益 | 143 | 185 | 129% |
純利益 | 112 | 128 | 114% |
売上は前年度比110%、経常利益は129%、当期純利益は114%と健全に成長しています。
上のグラフはスターバックスコーヒージャパンの2004年から売上(棒グラフ)と純利益(折れ線グラフ)の推移です。きれいに右肩上がりで推移しています。
(2015年度は変則決算のため省略しています)
店舗数の推移
2019年9月末時点で国内のスターバックスは全1497店で、そのうちフランチャイズシステムでの委託運営が120店です。
2018年度末時点では1392店舗だったので、1年間で約100店舗新しく出店しています。
飲食業界の宿命で、売上を上げるためには、①店舗数を増やすか、②客数・客単価を上げるかのどちらかになりますから、スターバックスの拡大は今後も続きそうです。
1店舗でどれくらい売り上げているのか?
計算しやすいように、店舗数を切り上げて1500店とします。
年間の売上高2011億円を1500で割ると1.34億円になります。
1店舗当たり、年間で1億3400万円を売り上げている計算です。
純利益も同じ計算をするとは850万円となります。
それを12ヶ月で割ると、1店舗当たりの月間売上が約1100万円と出てきます。
さらに30で割って、1店舗あたり1日の売上は約36万円です。
コーヒーが400円前後、フラペチーノだと600円ほど。
平均して1人のお客さんが500円ほど使うと考えると、平均1日600人のお客さんが来店している計算になります。
もちろんこれは数字の話で、忙しくてもっと稼ぐお店やあまりお客さんが来ないお店もあると思いますが、平均するとこれくらいになりそうです。
こちらでドトールの業績と比較しています→「ドトールや星野珈琲を運営 ドトール・日レスHDの2020年度決算を見てみる」
アメリカ本社への貢ぎは?
スターバックス コーヒージャパンは2015年に上場を廃止し、アメリカのスターバックスの完全子会社になりました。
その際、自己株式取得のための借入金と取得した自己株式で財務状況は債務超過状態です。このため、いくら黒字経営でも配当は支払っていないはずです。
そうすると、スターバックス本社からコーヒー豆や原材料などの購入と、ライセンス使用料の支払いになります。
スターバックスは国際的な節税戦略で有名です。スターバックスのコーヒー豆は一度、生産地から(税金の低い)スイスのスターバックス子会社に集められます。ここからさらに世界中のスターバックスへと輸送(販売)されるのですが、スイスから世界中のスターバックスへ販売される際、原価に20%のコストがさらに加わっているそうです。これを行うことで、原価が上がり、各国での利益を少なくみせることができ、課税額を減らしていると言われています。
ライセンス使用料の支払いについては、スターバックスコーヒージャパンが上場していた時の有価証券報告書を読むと「月次売上高の5.5%相当額のロイヤリティーを...毎月支払う」と書いてあり、この利率が変わっていないとすると、今でも約110億円をロイヤルティとしてアメリカ・スターバックスに献上していることになります。
終わりに
どうでしたか?アメリカの子会社になってから謎のスターバックスですが、
実は健全な業績を続けて叩き出しています。
今年は特にタピオカブームがあったにも関わらず。
コーヒー業界のリーダー的存在のスターバックス、今後も期待していきたいです!
Starbucks.co.jp
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記事内 で使用したグラフは過去のスターバックス コーヒージャパン決算短信と決算公示を参考に作成.
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