
コーヒー業界の業績をみていきます!
今回は4月14日に2020年度2月期の決算を発表した株式会社ドトール・日レスホールディングスです。
2019年3月から2020年2月までの決算です。
株式会社ドトール・日レスホールディングスは2007年にドトールコーヒーと、星乃珈琲やパスタの五右衛門などを運営する日本レストランシステムが経営統合してできた会社です。ドトール・日レスホールディングスの中に、ドトールコーヒーと日本レストランシステムの2つの会社が子会社として連結されており、ドトールコーヒーと星乃珈琲は親会社は一緒ですが、運営している会社は別となっています。
ドトール・日レスホールディングス
では早速、決算を見ていきましょう!
4月14日に発表された2020年度2月期決算の損益計算書の抜粋です。
科目 | 金額(億円) | 対売上比 |
---|---|---|
売上高 | 1311(億円) | 100% |
売上原価 | 518(億円) | 39% |
販売・管理費 | 690(億円) | 52% |
営業利益 | 102(億円) | 7.7% |
------ | ----- | ----- |
経常利益 | 102(億円) | 7.7% |
------ | ----- | ----- |
税引前純利益 | 95(億円) | 7.2% |
当期純利益 | 60(億円) | 4.5% |
売上はグループ全体で前年比1.5%増の1311億円、純利益は前年比2.4%増の60億円です。
1株当たりの純利益(EPS)は137.13円で、1株当たり純資産(BPS)は2397.94円となりました。
過去の売上と純利益の推移

2008年から2020年までの売上と純利益をグラフにしてみました。
単位が少し変わり、百万円単位で数字を打ち出しています。
棒グラフが売上(数字は右軸)、折れ線が純利益(数字は左軸)をみてください。
売上は順調に上がっているものの、利益は少し上がったり下がったりしてますが、ここ5年ほどは順調です。
ただ、今年は新型コロナの影響もあり、少し大変だと思います。
ドトールコーヒー単体決算
さて、ドトール・日レスホールディングスは洋食などレストラン業態の売上も入ってきてしまいます。
そこで、次にドトールコーヒー単体の業績も見ていきましょう。子会社のドトールコーヒーもしっかり業績を確認できます。
ドトールコーヒーはドトール、エクセルシオールの2つをメインに展開しています。ドトールは2020年2月末時点で1100店(うちFCは912店)、エクセルシオールは123店(うちFCは23店)です。
残念ながら2020年度の決算がまだ出ていないので、紛らわしいのですが今回は2019年度(2018年3月から2019年2月まで)の業績を見ていきます。
科目 | 金額(億円) | 対売上比 |
---|---|---|
売上高 | 725(億円) | 100% |
売上原価 | 369(億円) | 50% |
販売・管理費 | 311(億円) | 42% |
営業利益 | 44(億円) | 6.0% |
------ | ----- | ----- |
経常利益 | 45(億円) | 6.2% |
------ | ----- | ----- |
税引前純利益 | 38(億円) | 5.2% |
当期純利益 | 25(億円) | 3.4% |
上の決算が2019年度ものなので、2019年度末のドトールコーヒーやエクセルシオールなど全店舗数は1327店でした。
1店舗当たりに直した年間売上は約5400万円で、1ヶ月当たりの売上は1店舗で約455万円という計算です。
スターバックスとドトールの比較
比較するとわかりやすいので、日本のスターバックスの業績とドトールを比較してみましょう。
億円(対売上比) | ドトールコーヒー(FY19) | スターバックス(FY19) |
---|---|---|
売上高 | 725(100%) | 2011(100%) |
売上原価 | 369(50%) | 567(28%) |
販売・管理費 | 311(42%) | 1260(62%) |
営業利益 | 44(6.0%) | 182(9.0%) |
スターバックスに比べると、ドトールは原価率が高めで50%となっています。これはドトールが食事に力を入れているとも言えます。
逆に、スターバックスは原価率は抑えつつも、人件費などの販売・管理費の割合が非常に高いです。
過去の売上と純利益の推移

ドトールコーヒーの売上と純利益をグラフにしました。
見方は上のグラフと同じです。
期間は2015から2019年度までの5年分です。
終わりに
順調に伸ばしていますが、新型コロナの流行で、ドトールは多くのお店で臨時休業となっています。
これが次の業績に深刻な影響を与えると思います。
ドトールだけではなく、多くのカフェで同じように深刻な影響を与えていると思います。
早く収束して、元の生活に戻れることを期待します。
参考: 株式会社ドトール・日レスホールディングス
参考記事: 「日本のスターバックスの業績 2019年の売上は前年比110% ロースタリー効果か!?」
**Photo source: unsplash