昨年に続き、今年も日本のスターバックスの決算を見ていきましょう。
アメリカ本社のスターバックスの業績はこちらで記事にしています。
スターバックスコーヒージャパン
スターバックスコーヒーはアメリカ・シアトル発のコーヒーチェーンで、ドリップコーヒーをはじめ、エスプレッソベースのドリンクやフラペチーノを販売しています。
1996年に日本に上陸し、銀座に1号店を出店し、サザビーリーグの合弁でスターバックス コーヒージャパンが誕生します。
来年で、日本上陸から25周年を迎えます。
2001年よりナスダック・ジャパン市場に上場していましたが、2014年にアメリカ・スターバックスが日本法人を完全子会社化を決定し、2015年3月に上場廃止、現在はアメリカ・スターバックスの完全子会社となっています。
現在のスターバックス コーヒージャパンの代表取締役社長は2016年より水口貴文氏が務めています。
2020年9月末時点での店舗数は国内1601店になりました。コロナ禍でも着実と店舗数を増やし、今年は約100店の出店を行いました。
新宿御苑などへの出店や、国内初となるサイニングストア、紅茶ブランド「ティバーナ」をメインにおいた店舗もオープンしています。
スタバの2020年度を振り返る
スターバックスの年度を10月1日からはじめています。
なので、スターバックスの2020年度は2019年10月から2020年の10月を指します。
2020年に発売されたコーヒーラインナップ
さて、昨年同様、スターバックスのこの1年で販売されたコーヒー豆から振り返っていきます。
2020年は14種類の季節のお豆が販売されました。
発売日 | コーヒー豆 |
---|---|
10/1 | スマトラ ミディアムローストを |
11/1 | クリスマスブレンド 3種類 |
12/26 | グアテマラカシシエロ /グアテマラ アティトラン |
2/15 | スプリングシーズンブレンド/ |
3/13 | スラウェシトラジャ |
4/9 | リフトバレーブレンド/アイスコーヒーブレンド |
5/13 | カティカティブレンド |
6/24 | ルワンダ |
9/2 | オータムブレンド/コロンビア サンタンデール |
この14種類は通常店舗で販売されていた期間限定のコーヒー豆です。
スターバックスコーヒージャパンの2020年度業績
上の写真は日本経済新聞12月4日朝刊に掲載されたスターバックスコーヒージャパンの決算公示です。
科目 | 金額(億円) | 対売上比 |
---|---|---|
売上高 | 1738(億円) | 100% |
売上原価 | 505(億円) | 29% |
販売・管理費 | 1223(億円) | 70% |
営業利益 | 8(億円) | 0.4% |
------ | ----- | ----- |
経常利益 | 18(億円) | 1.0% |
------ | ----- | ----- |
税引前純損益 | -20(億円) | - |
当期純損益 | -19(億円) | - |
営業利益はギリギリ黒字をキープしていますが、特別損失などの計上により最終は赤字に落ちています。
詳細は分かりませんが、コロナによる休業した費用がここに計上されてるはずです。
前年との比較
前年2019年と比べてみましょう。
科目 | 2019年(億円) | 2020年(億円) | 増減率 |
---|---|---|---|
売上高 | 2011 | 1738 | -14% |
営業利益 | 182 | 8 | -95% |
経常利益 | 185 | 18 | -90% |
純利益(損失) | 128 | -19 | -114% |
売上は前年度比86%で止まっています。
スターバックスは3月頃より一部店舗休業を始め、4月の緊急事態宣言発令により大半の店舗での営業を取りやめていました。
それでも年間で見ると前年比86%で留めています。
営業利益、経常利益に関してはギリギリ残したという数字です。
上のグラフはスターバックスコーヒージャパンの2004年から売上の推移です。(2015年度は変則決算のため省略しています)
きれいに右肩上がりで推移していましたが、ガクっと下がりました。来年以降、元に戻せるかが楽しみです。
純利益の2004年以降の推移です。
日本のスターバックスは2001年に上場し、決算データを公開していましたが、現時点で手に入るデータ(2004年以降)を見る限り、初めての最終赤字となっています。
やはり飲食業にとって今年のコロナ禍は相当痛いものだったことがわかります。
グラフを見ると、2011年に大きく利益を減らしています。東日本大震災によって一部店舗で臨時休業を行なったためと過去の決算書を読むと書かれています。
スターバックスは全国で展開し、日常に寄り添う形で営業を行っているため、自然災害が起こると一時的に落ち込んでしまいます。ただ、2011年前後の業績を見ると、翌年以降は前年並みに戻っていくのではないかというのが読み取れます。
店舗数の推移
2019年9月末時点で国内のスターバックスは全1497店で、そのうちフランチャイズシステムでの委託運営が120店でした。
そして今決算期2020年9月末時点では、1601店舗、フランチャイズによる委託運営が137店になっています。
コロナ禍でも104店増やしています。この増加数は昨年と同じなので、ほぼ計画通りに出店を行ったのかなという印象です。
プレスリリースによると来年春頃に三重の伊勢神宮に出店することを発表しており、街中にもチラホラとスターバックスの出店地の張り紙などが見受けられます。
コロナ禍でも出店を止めることなく、成長を続けていく姿勢が見えます。
コロナ禍でのスターバックス戦略
スターバックスはモバイル戦略に大きく注力しているようです。
スターバックスはモバイルアプリから事前注文ができる「モバイルオーダー&ペイ」というサービスを2019年より一部店舗で始めていました。
2020年11月30日のプレスリリースによると、この事前注文サービスを「計画を早めて」今年の12月から全国の直営店舗で導入すると発表しています。
スターバックスの会員プログラム「Starbucks Rewards」の会員数は620万人を突破しているようです。
スターバックスはUber Eatsも導入しており、モバイルでの集客に注力している様子がうかがえます。
新型コロナもワクチン開発に成功したという話がありますが、まだまだ収束しそうにない状態の中、コーヒー業界はどのような方向に進んでいくのか非常に楽しみです。
今年のスターバックスの決算は通常とは言えないので、深い分析はしていません。去年の記事に1店舗あたりの売上など計算していますので、ぜひそちらも合わせてお読みください、
Starbucks.co.jp
Image source: unsplash.
記事内で使用したグラフは過去のスターバックス コーヒージャパン決算短信と決算公示を基に作成.