
例年のように、今年もスターバックスの決算が出ましたので、日本のスターバックスの決算を見ていきましょう。
スターバックスコーヒージャパン
スターバックスコーヒーはアメリカ・シアトル発のコーヒーチェーンで、ドリップコーヒーをはじめ、エスプレッソベースのドリンクやフラペチーノを販売しています。
1996年に日本に上陸し、銀座に1号店を出店し、サザビーリーグの合弁でスターバックス コーヒージャパンが誕生します。
2001年よりナスダック・ジャパン市場に上場していましたが、2014年にアメリカ・スターバックスが日本法人を完全子会社化を決定し、2015年3月に上場廃止、現在はアメリカ・スターバックスの完全子会社となっています。
現在のスターバックス コーヒージャパンの代表取締役社長は2016年より水口貴文氏が務めています。
2022年9月末時点での店舗数は国内1771店になりました。コロナ禍でも着実と毎年100店舗と数を増やしていた印象でしたが、少し出店ペースが遅くなった気もします。
スタバの2022年度を振り返る

スターバックスは年度を10月1日からはじめています。
なので、スターバックスの2022年度は2021年10月から2022年の9月末までを指します。
2022年度に発売されたコーヒーラインナップ
さて、まずは、スターバックスのこの1年で販売されたコーヒー豆から振り返っていきます。
20202年度には14種類の季節のお豆が販売されました。
ブレンドが8種類、シングルオリジンが6種類でした。
発売日 | コーヒー豆 |
---|---|
11/1 | クリスマスブレンド 3種類 |
12/26 | グアテマラカシシエロ /ニカラグア |
2/15 | スプリングシーズンブレンド |
3/16 | コスタリカ |
4/13 | パプアニューギニア/アイスコーヒーブレンド |
6/1 | カティカティブレンド/ペルー チュンキ |
7/13 | ボヤージュブレンド |
9/1 | タンザニア ブルマ/アニバーサリーブレンド |
この14種類は通常店舗で販売されていた期間限定のコーヒー豆です。高級なコーヒー豆を扱うスターバックスリザーブでは、別途、コーヒー豆が発売されています。
スターバックスコーヒージャパンの2022年度業績
日本経済新聞に掲載されたスターバックスコーヒージャパンの決算公示の2022年度のものを抜粋して下記表を作成しました。
科目 | 金額(億円) | 対売上比 |
---|---|---|
売上高 | 2539(億円) | 100% |
売上原価 | 695(億円) | 27% |
販売・管理費 | 1592(億円) | 62% |
営業利益 | 251(億円) | 9.8% |
------ | ----- | ----- |
経常利益 | 338(億円) | 13.3% |
------ | ----- | ----- |
税引前純利益 | 330(億円) | 12.9% |
当期純利益 | 234(億円) | 9.2% |
飲食業の中には、まだコロナの影響を受けて、赤字が続く企業もある中で、スターバックスはコロナ禍の影響を受けず、早くも通常運転になっているのがわかります。
売上2539億円に対し、251億円の営業利益、純利益が234億円です。
前年との比較
科目 | 2021年(億円) | 2022年(億円) | 増減率 |
---|---|---|---|
売上高 | 2092 | 2539 | 121% |
営業利益 | 123 | 251 | 204% |
経常利益 | 204 | 338 | 165% |
純利益 | 130 | 234 | 180% |
2021年度と比べると、売上から全ての利益を伸ばしているのがわかります。
2021年度(2020年10月から2021年9月末まで)はコロナの影響が若干残る決算でしたが、2022年度はコロナ禍からの復活をしっかりと示していると言えるでしょう。
せっかくなので、コロナの影響が始まる前の決算と比べてみます。
科目 | 2019年(億円) | 2022年(億円) | 増減率 |
---|---|---|---|
売上高 | 2011 | 2539 | 126% |
営業利益 | 182 | 251 | 137% |
経常利益 | 185 | 388 | 209% |
純利益 | 128 | 234 | 182% |
2019年(2018年10月から2019年9月末まで)の決算と比較したのが上記の表です。2019年度末の店舗数が約1500ほどだったので、それを加味しても、しっかりと復活していると言えます。逆に、再度成長し始めたと言えるでしょう。

上のグラフはスターバックスコーヒージャパンの2004年から売上の推移です。(2015年度は変則決算のため省略しています)
コロナの影響を受けた2020年、2021年から復活し、過去最高の売上を記録しているのがわかります。

純利益の2004年以降の推移です。
日本のスターバックスは2001年に上場し、決算データを公開していましたが、現時点で手に入るデータ(2004年以降)でグラフを作成していますが、こちらも売上同様、過去最高益を達成しています。
店舗数の推移

前年、2021年9月末時点で国内のスターバックスは全1685店でした。
そして今決算期2022年9月末時点では、1771店舗、フランチャイズによる委託運営が143店になっています。前年から86店舗増加しています。
ここ数年間、2020年までは毎年100店舗以上出店していたスターバックスですが、前年度の2021年度から少し出店ペースを抑えているのかなという印象です。
近年のスターバックスの出店地を見ていると、公園内や観光地などといった特殊な立地での出店が多くなってきているような気がします。市街地での出店はほぼ完了し、今はその間に出店を進めているのでしょうか。毎年100店舗近い出店による成長が続いたスターバックスですが、出店ペースが落ちてくると、成長が落ち着いてくるのか、そろそろ成熟企業としての真価が問われるフェーズとなってきていると言えます。
Starbucks.co.jp
Image source: unsplash.
記事内で使用したグラフは過去のスターバックス コーヒージャパン決算短信と決算公示を基に作成.