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てる コラム

タリーズ 2020年4月期決算 新型コロナの影響大きく コーヒーチェーン業績比較


以前書いたドトールスターバックスに続き、今回はスターバックス、ドトールと一緒によく括られる「3大コーヒーチェーン」の1角タリーズコーヒーを見ていきます。

タリーズは2007年に伊藤園傘下に入り、非上場企業になりました。そのため詳細な決算情報を開示していません。
今回は、伊藤園グループの決算説明資料と官報を参考にタリーズコーヒーの経営に迫っていきます。

タリーズコーヒーの業績

では早速、タリーズの経営状況を見ていきましょう!
2020年度4月期業績です。伊藤園グループの決算説明資料と官報を参考してます。
非上場企業なので、これ以上の業績情報が出てきません。

科目 金額(億円) 対売上比
売上高 328(億円) 100%
営業利益 17(億円) 5.3%
当期純利益 8(億円) 2.4%

売上は前年比5%減の328億円、純利益は前年比58%減の8億円でした。
2020年4月末時点での、店舗数は747店です。
1店舗当たりに直した年間売上は約4390万円で、1ヶ月当たりの売上は1店舗で約365万円という計算です。

タリーズコーヒーの決算は3月1日から4月30日までの期間を設定しており、今回2020年4月期決算は2019年3月1日から4月30日までの業績です。
今年2月から日本でも流行し始めたCOVID-19の影響が出てしまっています。

新型コロナの業績への影響

タリーズコーヒーでもやはりCOVID-19の流行と4月から発令された緊急事態宣言による臨時休業と営業時間短縮の影響は大きく、2020年2月から4月の四半期の売上高は前年比で34%も減少したと発表しています。
次のグラフは2月から4月までの各月の売上高の前年同月比と、臨時休業や営業時間短縮をしていたお店の比率を示しています。4月に関してはほぼ全てのお店が臨時休業か時間短縮での営業をしており、COVID-19の影響は甚大だと言えます。

売上高対前年比 休業・時短店舗率
2月 + 3% 4%
3月 - 25% 25%
4月 - 75% 97%

(出典)伊藤園グループ 2020年4月期通期決算説明会資料

過去の業績の推移

今年の決算情報はどちらかというとイレギュラーなものだったと思います。過去のタリーズの業績をグラフにしていきます。
2011年から2020年までの売上と純利益を描いたグラフです。
単位が少し変わり、百万円単位で数字を打ち出しています。
棒グラフが売上(数字は右軸)、折れ線が純利益(数字は左軸)とみてください。

売上は2019年までは堅調に右肩上がりをしています。
ただ、純利益については2016年度をトップにここ数年はあまり芳しくないイメージです。

こちらは2011年から2020年までの売上と営業利益を描いたものです。
棒グラフが売上(数字は右軸)、折れ線が営業利益(数字は左軸)です。
営業利益は2015年をトップに少しガタついています。10年間の平均の営業利益率は10.4%でした。

2020年4月末時点でのタリーズの店舗数は747店舗です。
10年間の店舗数の推移です。年間店舗増加数の平均は37店舗です。2021年4月末までに30店舗増やし、777店舗体制にする計画のようです。

スターバックス・ドトール・タリーズ比較

スターバックス、ドトール、タリーズの3大コーヒーチェーンを比べていきますが、
3社の決算の設定期間がバラバラで、タリーズに関してはコロナの影響を受けているので、今回はあまり参考にならないかもしれません。

他のコーヒーチェーンの業績を詳しく知りたい方は、日本のスターバックスの業績とドトールを見てください。
ドトールコーヒーは2020年度2月期(2019年3月から2020年2月まで)で、スターバックスコーヒーは日本の2019年9月期(2018年10月から2019年9月まで)です。

億円(対売上比) スターバックス(FY19) ドトール(FY20) タリーズ(FY20)
売上高 2011(100%) 739(100%) 328(100%)
営業利益 182(9.0%) 45(6.0%) 17(5.3%)

タリーズを少し弁護すると、営業利益に関して通常は今年に比べると2倍程度はあります。

スターバックス(FY19) ドトール(FY20) タリーズ(FY20)
期末店舗数(内FC店数) 1497店(120店) 1100店(912店) 747店(不明)
1店舗当たり年間売上 1億3434万円 6718万円 4390万円
1店舗当たり年間営業利益 1218万円 411万円 230万円
1店舗当たり月間売上 1119万円 559万円 365万円

また、店舗数から売上高を単純に割って算出した「1店舗当たりの年間売上」と「1店舗当たりの月間売上」また「1店舗当たり年間営業利益」を比較してみましょう。
タリーズの店舗数はスターバックスの約半分といったところです。

売上を見ると、スターバックスに軍配が上がり、1店舗当たりの月間売上はドトールの約2倍、タリーズの約3倍近くになります。3社比べてみると、圧倒的にスターバックスの方が経営効率が良いと言えます。

コーヒーの値段も比べておきます。税抜価格にて表示。

サイズ スターバックス ドトール タリーズ
Short/S 290 204 305
Tall/M 330 250 355
Grande/L 370 296 405
Venti 410 - -

*ドトールはS/M/Lサイズ表記で150ml/180ml/270mlの液量. スターバックスとドトールのサイズの呼称と液量は同一で、Short/Tall/Grande/Venti(スターバックスのみ)でそれぞれ240ml/350ml/470ml/590ml.

終わりに

タリーズの2020年4月の決算はCOVID-19の影響が一番大きい期間の業績も含まれました。
ただ、政府による緊急事態宣言の解除がされた後も、客足の戻りは鈍い印象です。来年の業績はあまり期待できないでしょう。コーヒー業界は全体的に耐え忍ぶ「冬の時代」になりそうです。

参考: 株式会社伊藤園
参考記事: 「日本のスターバックスの業績 2019年の売上は前年比110% ロースタリー効果か!?
参考記事: 「ドトール 2020年2月期の単体決算発表 ドトールとスタバを比べてみます

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