
シングルオリジンコーヒーが広まって、いろんな生産国の様々な農園のコーヒーがお店に並ぶようになってきました。
ただ、「グアテマラSHB」とか「パナマxxx農園ゲイシャ」とか言われても、
「SHBって?」「ゲイシャってなに?農園の名前の続きかな?」ってなりませんか?
コーヒーを仕事にしている人にとっては馴染みが深いこれらの用語も、大半の人にとっては「呪文」のような言葉ですよね?
そこで、みなさんがこの記事読んで、コーヒー屋さんに行ったら、
「あぁー、これはこういうお豆ね!」って理解できるように解説していきたいと思います!
今日は「ブルボン」について解説していきます。
ブルボン(Bourbon)とは

ブルボンとはコーヒーの品種の一種です。英語では"Bourbon"と書きます。
コーヒーはまず「アラビカ」と「カネフォラ(ロブスタ)」の2つに分類されますが、ブルボンは「アラビカ」種に属ています。アラビカ種の中でもたくさん品種がありますが、ティピカと並ぶ有名なアラビカの2大優良品種です。
ブルボン(Bourbon)の歴史

さて、ブルボンについて詳しく説明していきましょう。
コーヒーの歴史 (参考:「コーヒーは世界にどのように広がったのか?」)で書きましたが、17世紀以降ヨーロッパにコーヒーがもたらされ、ヨーロッパの商人はアラビア世界の秘密「コーヒー」をどのように持ち出すかで試行錯誤します。
17世紀にはオランダがインドネシアへの持ち出しに成功し、続きフランスが1715年に現在のレユニオン島にコーヒーの苗木を持ち出します。
持ち出されたコーヒーはティピカ種だったようですが、この島の環境の影響で、突然新しい品種が出来上がります。これを突然変異と言います。その突然変異の品種がレユニオン島の当時の呼称「ブルボン島」にちなんで「ブルボン」種と呼ばれています。
「ブルボン」とは別にレユニオン島で突然変異して生まれた「ブルボン・ポワントゥ」と絶滅した幻の品種もあります。この「ブルボン・ポワントゥ」と区別するために、通称「ブルボン」と呼ばれる品種は「ブルボン・ロンド」とも呼ばれます。
さて、レユニオン島でのコーヒー栽培はヨーロッパへの輸送が難しかったため、ラテンアメリカの国々のコーヒーに負け、産業は衰退していきますが、ブルボンはブラジルに渡り、ラテンアメリカをはじめ世界中で今でも栽培されているのみならず、カトゥーラやパーカスなど更に各地で突然変異や人工交配などを繰り返し、たくさんの品種の中に生き続けています。
ブルボン(Bourbon)の特徴と味わい

ブルボンはティピカ種に比べると丈夫で、収穫量も多い。しかしブルボンも原生種に比較的近いため、他の品種に比べると、病虫害への耐性は低く、収穫量も多くはないうえ、木の剪定などの世話に手間が必要で栽培も簡単ではないようです。
しかし、ブルボンは歴史的に様々な土地で栽培されてきたことでわかるように、ブルボンの持つ特徴的な風味と味わいによって評価され、現在でも人気な品種となっています。
ブルボンの豆自体は丸みがあり小粒だが、濃厚なコクや芳醇な風味、甘味が特徴です。
コーヒーチェリーも丸みがあり、完熟すると、赤、黄色、オレンジ、ピンクなどと様々な色の実をつけます。イエローブルボンは特にブラジルで見られることが多いが、より甘みが強い傾向にあります。
ブルボン(Bourbon)を味わう

ブルボンはブラジルのコーヒーでよくみることが多いですが、世界の各地でブルボン種は栽培されています。
ブルボンのコーヒーのリストはこちらで確認できますが、ブルボンだけを探すのではなく、色が異なるレッドブルボンやイエローブルボンなど様々なブルボン種を探すと、それぞれの味わいを楽しむこともまたできるでしょう。
**photos are from unsplash
