7月16日の日本時間深夜、パナマの国際品評会「ベスト・オブ・パナマ」のオークションが開催された。スコア95.25を獲得したエリダ農園のゲイシャ・ナチュラル(ASD)が破格の1ポンドあたり1029ドル、日本円にして約11万円の値をつけた。
エリダ農園を落札したロースタリーは日本、台湾、アメリカ、オーストラリア、マレーシア、イギリスの14社からなるが、日本ではサザコーヒーとアロマコーヒーの2社が落札している。エリダ農園のゲイシャにつけられたスコア95.25と、落札価格1029ドル/lb.は国際的な品評会での過去最高値を更新した。
エリダ農園は昨年2018年のベストオブパナマでも過去最高落札価格の803ドル/lb.の伝説をつくっており、今年はそれを塗り替えることになった。エリダ農園の落札価格は飛び抜けて破格だが、その他のロットも1ポンドあたり100ドルを超えるものも多数生まれた。200ドル/lb.を超えるものは8農園もあり、全49ロット平均落札価格も100ドル/lb.を超える。
エリダ農園のゲイシャはナチュラルASDプロセスがとられている。ASDとは“anaerobic slow dry”を意味し、エリダ農園のゲイシャは嫌気性発酵を5日間行った後、5週間かけてゆっくりと乾燥させている。ナチュラルプロセスの乾燥は通常2-3週間で終わる。
ベスト・オブ・パナマは今年で23回目を迎えた。過去ベスト・オブ・パナマでは2004年にエスメラルダ農園のゲイシャが当時としては破格の落札価格をつけたことでゲイシャを一躍有名にしている。ベスト・オブ・パナマでは品種や加工方法によって5つの部門に分けられており、「ナチュラルプロセスなどの特別な加工方法のゲイシャ」「ゲイシャ・ウォッシュト」「パカマラ・ナチュラル」「ナチュラルプロセスなどの特別な加工方法の、その他の品種」「その他の品種のウォッシュト」ごとに行われる。
ベストオブパナマ公式サイト
サザコーヒー公式ページ
**photo is from Specialty Coffee Association of Panama
*追記
エリダ農園のゲイシャを落札したサザコーヒーでは最近サザコーヒーKITTE丸の内店での1杯1万円のコーヒーが話題に上がっている。以下参考記事。
「ワインに似るコーヒー 1杯1万円も 産地や香味にこだわり(日本経済新聞 2019.7.10)」
「1杯1万円コーヒーを普通の人が飲むワケ(PRESIDENT Online 2019.7.13)」