某所にて中米・エルサルバドルのカップ・オブ・エクセレンス(COE)2019のサンプルロットをカッピングしてきました！

個人的に好きだなと思わせてくれたのは1位ロットのサンタローサでした。まるで果汁かと思わせるようなジューシーなカラントやベリー系の酸味は他のロットを圧倒していました。

また、3位のラ・エスペランザ農園のベルナルディナというCOEでは初めて入賞した品種は、不思議なハーブやメープルなどを思わせる香り高い味わいでした。個人的には苦手な味わいでしたが、こちらも特徴的なユニークでした。

カップオブエクセレンスとは

カップオブエクセレンス は、国際コーヒー機関(ICO)のプロジェクトの一環で、1999年にブラジルから始まり、現在ではグアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、コスタリカ、ニカラグア、メキシコ、ブルンジ、ルワンダ、コロンビア、ボリビア、ペルーの12の生産国で行われています。今年でカップオブエクセレンスは20周年を迎えます。

カップオブエクセレンスの選考は、最低基準のチェック、国内審査、国際審査と3段階で行われ、少なくとも5回の品質の評価が行われ、この厳しい品質評価を経て最低87点以上のスコアを獲得し入賞したコーヒーは、インターネットのオークションで名実ともにグローバルに競り落とされる。落札された価格は、諸経費を引いて、そのまま生産農家が手にすることができるのがCOEオークションの特徴。1999年の第1回カップオブエクセレンスでの1位獲得ロットの落札価格は2.6ドル/ポンドであったが、2018年には最高落札価格も更新し300ドル/ポンド(コスタリカCOE)となり、20年間の累計オークション収入は6億ドルを超えています。

入賞25農園

今年は25の農園が入賞を果たしています。以下が今年の入賞コーヒーリストです。

エルサルバドルはやはりパカマラが多いですね。COEなのにゲイシャは全く入っていません。加工方法もハニープロセスが稀にみられますが、ウォッシュトやナチュラルなど主流の加工方法がほとんど行われています。

エルサルバドルでは5年ほど前にさび病が蔓延し、コーヒー生産はいまだに落ち込んでるようです。さび病発生前に比べてまだ5割程度しか回復していないそうです。僕個人はエルサルバドルのコーヒーは好きで、頑張ってほしいです。

*参考:https://allianceforcoffeeexcellence.org/

講評

個人的に好きなロットや印象的なロットの感想です。

1位サンタローサ農園パカマラハニー

1位だからこれだけ美味しく感じるのか、美味しいから1位なのか(多分後者だろうけど)、1位のこのサンタローサのパカマラはダントツに美味しかった。明るさと果汁を飲んでるような飲み口で、いろんなフルーツを感じられます。

オークションの結果、丸山珈琲や猿田彦珈琲などが63.10ドル/lbで落札しています！夏頃には日本でも試せそうです！高そうですが笑

アロマ: Black tea, black currant, dark chocolate, blueberry, slight jasmine, jammy, strawberry, orange peel, lychee, cognac, wine
酸味: Structured, refined, elegant
その他: Long lingering aftertaste, big mouthfeel, improved as cooled, transparent, clean, exotic

3位ラ・エスペランザ農園ベルナルディナハニー

ベルナルディナと呼ばれる品種。冒頭でも書いたがハーブやメープルなど薬のような風味を持つ独特な味わい。個人的には苦手な味でした。

こちらは39.5ドル/lbで落札されています。

アロマ: Cardamom, coriander seeds, jasmine, strawberry, citrus, lemongrass, floral, sugarcane, sweet nuts, earl grey, peach, lime, tea rose
酸味: Structured, silky, smooth
その他: Transparent, delicate, subtle, elegant, silky mouthfeel, super long finish with strawberries and nuts, juicy finish

2位 ロス・ピリネオス農園 ブルボンウォッシュト

個人的にはあまりよく良さがわからなかったが、優秀だと結構な人が褒めていたロット。ウォッシュトのブルボンで、豆本来の潜在的な味わいが優秀だそうです。

サザコーヒーやハニーコーヒーが27ドル前後で落札しています。こちらも日本で試せそうです。

アロマ: Red currant, oolong, jasmine, peach, milk chocolate, vanilla, marzipan, berry, rose, apricot, cocoa, pomelo, cane sugar
酸味: Very bright, clear, transparent
その他: Well structured, complex, aftertaste is long and sweet, tannic finish, well layered, well structured

24位 ラス・ドゥアナス農園 パカマラナチュラルエアロビコ

エアロビコと呼ばれる嫌気性発酵を行なったロット。下位にありながら、圧倒的な印象のワインやラム酒のようなアルコールを感じさせる味わいでした

香り: “cacao, berry, Green apple, papaya, sugarcane, spice, mango, peach, wine, Dried fig, caramel, jack fruit, citrus, Chocolate liquor, black grape, rum, Raspberry, blackcurrant, sparkling blueberry juice, walnut
酸味: Berry like, bright, complex, crisp, citric, malic, refined, pointed, sparkling
その他: Exotic, Sweet, Transparent, Clarity, Spice, Peach, Lemon / lime, Dried fruit driven, chocolate fudgy

**photos are from unsplash and COE Official Site