Coffea > 世界のコーヒー情報/NEWS >

てる コラム

JBrC2018チャンピオンから学ぶハンドドリップの美味しい淹れ方とは


ハンドドリップって難しいとよく耳にします。

個人的にはハンドドリップで淹れるコーヒーが一番好きです。

ハンドドリップっていろんなやり方があって、何が正解かわからないって方も多いのではないでしょうか?

逆に言ってしまうと正解がないのがハンドドリップの面白さです。

自分が思うように、お湯を注いでみたり、

今日はこんな味にしようかなーと抽出方法を工夫してみたり。

同じコーヒーでも気分や自分の好みで淹れ方を変えて淹れられるのが、ハンドドリップだと思います!
そして自分の流儀や自分が美味しく思える淹れ方をみつけるのがハンドドリップのロマンだと思います!笑

それでも、やっぱりみなさんは美味しいコーヒーの淹れ方を知りたいと思ってしまいますよね!?

今日はジャパン・ブリュワーズ・カップ(JBrC)2018で優勝し、2019年4月のワールド・ブリュワーズ・カップ(WBrC)2019に日本代表として出場し見事3位を獲得したUCC所属の中井千香子バリスタのWBrCでのプレゼンから美味しいハンドドリップの淹れ方を学んでいきましょう!

ブリュワーズカップって?

まずはジャパン・ブリュワーズ・カップ(JBrC)もしくはワールド・ブリュワーズ・カップ(WBrC)ってなに?ってところから説明していきましょう。

ともに、ブリュワーズ・カップというコーヒーの抽出技術を競うバリスタの大会でJBrCは日本大会で、WBrCは世界大会です。JBrCで優勝し日本代表に選ばれると世界大会のWBrCに出場ができます。

ブリュワーズ・カップとは機械の動力を使わないで、手動の抽出器具のみを使いコーヒーを抽出する技術を争います。
他のバリスタ競技大会とは違い、コーヒーの抽出するための器具は選択が可能で、ペーパードリップ、ネルドリップ、フレンチプレス、エアロプレスなど競技者が選ぶことができます。

自分が選択した器具を使って、コーヒー豆が持つ美味しさをどのように引き出す抽出ができるかがブリュワーズカップでは競われます。

中井バリスタのプレゼン

JBrC2018チャンピオンの中井バリスタは、2019年4月にボストンで開かれた世界大会WBrC2019の決勝戦に出場しました。

中井バリスタのプレゼンはこちらから視聴ができます。

WBrC2019ではハンドドリップを選択し、コーヒーはパナマ・ナインティプラス ゲイシャエステートのゲイシャを使用していました。
味わいはパイナップルなどの南国フルーツの明るいコーヒーが目指していました。

ドリッパーは"Lily Dripper"を使っていました。
"Lily Dripper"が平底ドリッパーのために均等にお湯が広がり、ドリッパー底の穴が多いので抽出が早くできるためだと語っています。

ちなみに、優勝した日本大会のJBrC2018では、中井バリスタは抽出スピードのコントロールのしやすさをあげ、ORIGAMI ドリッパーを使っていました。

抽出時間による違い

中井バリスタがプレゼンの中で強調されていたのは、

抽出時間帯に応じて、コーヒーが抽出されやすい成分が違うということ。

上のグラフは、中井バリスタがプレゼンの中で使っていた資料を参考にして作ったものです。

これによると、抽出はじめでは「フレーバー」と「酸味」が多く抽出され、次第に「甘さ」が多く抽出されるようになります。

しかし、抽出時間が長くなれば長くなるほど、「苦味」や「渋み」など出したくない成分まで抽出されてしまうというもの。

上のグラフのオレンジ色の部位を超えると嫌な味わいが多くなってしまうそうです。

美味しさを引き出す抽出方法

では、中井バリスタが行なった抽出方法をみていきましょう!

まず90度の中程度の軟水(80ppm)を使用して粉とお湯の比率が1:2になるように注ぎます。

そこで蒸らしも含め15秒まで待ちます(注ぎ始めが0秒)。

そのあと2湯目、1:7.5まで「ゆっくり」お湯を注ぎ、高さをあげます。

45秒ごろ、お湯を60度の軟水(0ppm)に変え3湯目、1:13まで「素早く」お湯を注ぎ、再度高さを増していきます。

注ぎ終わったら、1:9になるところでドリッパーを外します。

なので、1湯目ではフレーバーや酸味、2湯目では甘さを、3湯目では渋みや苦みを抑えながらボディを形成することを意識しているそうです。

そして、渋みや苦みなど出したくない成分が多く抽出される前の70秒で抽出を終わるようにしていました。

まとめ

中井バリスタは湯量の確認のために専用のアプリや計りを使用していました。

趣味の範囲でやる分には中井バリスタのように厳密にやる必要はないと思います。正直そこまですると疲れてしまうと思います。笑

ただ、中井バリスタがやっていたように、出したい成分や味わいを意識して、抽出時間や湯量/注湯スピードをコントロールするのは大事ですよね。

中井バリスタがプレゼンで示していた抽出の時間帯によって、抽出されやすい成分が違うというグラフはドリップする上で非常に参考になります!
ぜひ、自分なりのハンドドリップの淹れ方を見つけてみてください!

*WBrC2019 Finalの動画
JBrC2018 Final 中井バリスタ
**photos are from unsplash

About Coffea

当サイトコフィアは日本唯一のコーヒー口コミ・情報共有サイトで、世界中の珈琲とコーヒー好きが集まるプラットフォームです。
口コミの投稿やサイトご利用には登録が必要で、 世界中のコーヒー情報を追うことができます。